パスキーを知ろう:初心者にもわかりやすい概要とメリット

はじめに

最近、パスワードに代わる新たな認証手段として「パスキー」が注目されています。従来のパスワード管理では、複雑な文字列を覚える必要があったり、パスワードが漏洩した際に深刻なセキュリティリスクが発生するなど、多くの問題が指摘されてきました。これに対処するため、より安全で簡単な認証方法としてパスキーの導入が進んでいます。

この記事では、パスキーの基本的な特徴、仕組みについて詳しく解説し、そのメリットを紹介します。

ちなみに、私がパスワード管理に使用している1Passwordもパスキーに対応しているため、これまでパスワードでログインしていたサービスがパスキーに対応している場合、順次パスキーに切り替えています。

「1Passwordとは?」と思われた方は、こちらの記事をご覧ください。 reisaikigyo.hatenablog.com

1. パスキーとは

パスキー(Passkey)とは、従来のパスワードに代わる新しい認証技術であり、ユーザーが覚えたり入力したりする必要がない高度なセキュリティを提供する方法です。スマートフォンやパソコンなどのデバイスを使用し、公開鍵暗号技術をベースにした仕組みで動作します。

2. パスキーの基本的な特徴

パスキーは、主に以下の3つの特徴を持っています。

  • パスワード不要: ユーザーは文字列のパスワードを覚える必要がありません。代わりに、スマートフォンやPCの生体認証(指紋認証や顔認証)やデバイスロック(PINコードやパターンロック)を利用してログインが可能です。これにより、パスワードを使う煩雑さや、使いまわし、忘れてしまうリスクを解消できます。

  • 高度なセキュリティ: パスワードに比べ、パスキーははるかに安全です。従来のパスワードは、サーバーに保存され、フィッシングやパスワード漏洩のリスクがありました。これに対し、パスキーでは、サーバーにパスワードを保存する必要がなく、ユーザーのデバイスに保存された秘密鍵と公開鍵のペアを使って認証を行うため、情報漏洩のリスクが大幅に軽減されます。

  • 利便性向上: パスキーを設定すれば、デバイス間でシームレスにログインできるため、異なるデバイス間でのログイン操作が簡単に行えます。例えば、スマートフォンで設定したパスキーを利用して、PCやタブレットでも同じようにログインが可能です。これは、複数のデバイスを日常的に使用するユーザーにとって、大きな利便性を提供します。(クラウドサービスを介して複数のデバイスで利用可能になります)

3. パスキーの仕組み

パスキーは、公開鍵暗号技術に基づいて動作します。公開鍵暗号は、2つの鍵(公開鍵と秘密鍵)を使用する仕組みで、パスキーの認証プロセスは次のように行われます。

  1. 秘密鍵の保存: ユーザーのデバイス秘密鍵が安全に保存され、外部には一切送信されません。この秘密鍵は、デバイス自体のセキュリティに依存して保護されており、ユーザーが持つデバイスがその鍵の所有者であることを証明します。

  2. 公開鍵の送信: サーバー側には、公開鍵が保存されます。最初に認証を行う際に、ユーザーのデバイスからサーバーへ公開鍵が送信され、これを元にサーバー側で認証を行います。

  3. 認証時のプロセス: ユーザーが再度ログインする際、サーバーは公開鍵を使用して認証要求を送信します。ユーザーのデバイス秘密鍵を使ってこの要求に応答し、その応答をサーバーが確認することで、認証が成立します。この仕組みにより、デバイス外に秘密鍵が流出するリスクがなく、フィッシングやリプレイ攻撃を防ぐことができます。

公開鍵暗号技術の説明が分かりづらいと感じた方は、Perplexityの説明をご覧ください。 www.perplexity.ai

まとめ

パスキーは、パスワードに代わる安全かつ利便性の高い認証技術であり、今後、多くのサービスで導入が進むと予想されます。パスワード漏洩やフィッシング攻撃といったセキュリティリスクを大幅に軽減し、ユーザーにとっては簡単でストレスのないログイン体験を提供します。特に、パスワード管理の煩雑さに悩むユーザーにとって、パスキーは非常に有効な手段になります。